
米津玄師「地球儀」で学ぶ日本語:ことばと文法
米津玄師「地球儀」に出てくることばと文法を、やさしく解説します。歌詞は載せず、意味とあらすじ、公式MVの紹介です。
編集:EMA
確認日時: · 出典:JAPANITIES編集部/米津玄師 公式YouTube
ポイント
米津玄師の「地球儀」を使って、日本語のことばと表現を学びます。歌詞の全文と全文の翻訳は、著作権のため、ここには載せません。そのかわり、歌のあらすじ、出てくることばの意味、文法を、自分たちのことばで説明します。公式のミュージックビデオは、下で見られます。歌詞は、公式の配信サービスなどで、見ながら読んでください。
この曲について
「地球儀」は、2023年7月17日に、音楽配信が始まった曲です。宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌になりました。7月26日には、CDが発売され、ミュージックビデオも公開されました。ビデオは、屋久島で撮影され、奥山大史監督がつくっています。報道によると、宮崎監督が「パプリカ」を聴いたことがきっかけで、依頼は、約4年前にさかのぼります。
題名の「地球儀」

「地球儀(ちきゅうぎ)」は、地球の形をした模型で、回しながら、世界のいろいろな国や海を見ることができます。「儀」は、もともと、天体や方角を調べる道具をさす字です。この歌では、地球儀を「回す」動作が、遠くの世界や、会えない人を思う気持ちの、たとえとして使われています。遠い場所を思うことを、日本語では「思いを馳せる(おもいをはせる)」といいます。
歌のあらすじ:はじまり

歌は、語り手が、自分が生まれた日の空を、思い出す場面から始まります。その日の空は、高く、遠くまで晴れていました。語り手は、旅立ちを、やさしく後押ししてくれた声を、聞いたことを覚えています。この声は、人生の旅への、はじめての見送りのように聞こえます。つづいて、季節がめぐるなかで、人とすれちがい、ときには、だれかを傷つけてしまった過去が語られます。明るいものに近づくほど、暗いものもはっきりする。そのため、空は、さらに遠く感じられます。
歌のあらすじ:旅立ちと出会い

次の場面では、語り手が、向かい風のなか、走り始めます。行く手をさえぎる、こわれたものの山がありますが、それを乗りこえて進みます。この道の先には、だれかが待っているはずだ、と信じているからです。扉を大きく開けて、これまで知らなかった世界へ進む姿は、かくれていたものを、明らかにしようとする、強い好奇心にも重なります。語り手は、満足することなく、遠い世界に思いをめぐらせます。この気持ちを、地球儀を回す動作にたとえているのが、この歌の中心のイメージです。
歌のあらすじ:大切な人との別れ

歌の後半では、語り手が愛した人が、だれも知らない場所へ行ってしまった、と語られます。その人は、あの日のままの、やさしい顔で、いまもどこか遠くにいます。語り手は、雨のなかで、まわりの目を気にせず、声に出して歌い始めます。歩き続けられるのは、続いてほしいという願いがあるからだ、と語り手は考えています。また会える日を夢に見つづけ、胸にしまった秘密を、忘れないように、大切に持ちつづけます。悲しみのなかでも、願いが、歩く力になっています。
歌のあらすじ:最後の場面

終わりに近づくと、歌は、少し静かになります。語り手は、小さな自分の、まっすぐな願いから、すべてが始まったことを思います。ひとつの寂しさをかかえたまま、道を曲がって、また歩き出します。最後に、これまでのことばがもう一度くり返され、そこに、人とつながる喜びと、失った悲しみが、ならんで加わります。うれしいことも、かなしいことも、どちらも受けとめて、描きつづけていく。題名と同じ、地球儀のイメージが、最後にもう一度もどってきて、歌全体をつつみます。
歌のテーマ
この歌のテーマは、「遠くを思う気持ちが、人を歩かせる」ということだと、読むことができます。生まれた日の空、見送ってくれた声、会えなくなった人、そして、まだ見ぬ世界。どれも、いまは手の届かない、遠くにあるものです。けれども、語り手は、遠くを思うことをやめません。かなしみも、よろこびも、秘密も、すべてをかかえて、道を進んでいきます。同じ呼びかけが、何度も戻ってくる構成は、旅が、くり返しの歩みであることを感じさせます。
空と自然のことば

歌には、空や天気、光と影のことばが、たくさん出てきます。「晴れ渡る(はれわたる)」は、空が、すみずみまで、よく晴れることです。「光(ひかり)」と「影(かげ)」は、反対の意味で、いっしょに使われます。「風(かぜ)」を受けて走り出し、「雨(あめ)」を受けて歌い出す、という動きの中で、天気が、気持ちの変化を表しています。「瓦礫(がれき)」は、こわれた建物のかけらのことで、乗りこえるべき、つらいことのたとえにも使えます。
道と動きのことば

この歌の動詞は、体の動きがよく伝わります。「走り出す(はしりだす)」は、走りはじめることで、「〜出す」は、動作のはじまりを表します。「越える(こえる)」は、じゃまなものの上を通りすぎることです。「開け放つ(あけはなつ)」は、扉や窓を、大きく開けることです。「回す(まわす)」は、ものを回転させること、「握り込む(にぎりこむ)」は、手の中に、しっかり握ることです。「撫でる(なでる)」は、手で、やさしくさわること、「手放す(てばなす)」は、持っていたものを、はなすことです。「すれ違う」は、すれちがって、ちがう方向に行くことをいいます。
気持ちのことば

気持ちを表すことばも、大切です。「願う(ねがう)」は、そうなってほしいと思うことで、「願い」は、その気持ちです。「寂しさ」「喜び」「悲しみ」は、形容詞や動詞から作った名詞で、気持ちをはっきり示します。「傷つける(きずつける)」は、人の心や体に、きずをつけることです。「飽き足らず(あきたらず)」は、これで十分だと思わず、もっとほしがることで、強い思いを表します。「構わず(かまわず)」は、気にしないで、という意味です。「暴く(あばく)」は、かくされた秘密を、明らかにすることです。
屋久島とは
屋久島(やくしま)は、九州の南にある鹿児島県の島です。雨が多く、苔むした森や清らかな渓流、長い年月を生きてきた屋久杉で知られています。海岸から高い山まで、標高によってさまざまな植物が見られるのも特徴です。1993年には、島の一部がユネスコの世界自然遺産に登録されました。 下の写真では、苔に包まれた岩や木、森を流れる水の表情を楽しめます。
読むときの注意
この記事は、歌詞の全文や全文の翻訳をのせていません。ことばの意味と文法は、一般的な説明で、歌の公式な解釈ではありません。歌の意味の受け取り方は、ひとつではありません。作詞・作曲は米津玄師さんです。曲と映像の権利は、権利者にあります。
文法を学ぶ / Grammaire
フランス語の文法
本文の例文から、文の形と使い方を学びましょう。
01現在形(être / avoir など)
est / sont + 属詞(名詞・形容詞・前置詞句)
« Chikyūgi » est une chanson disponible en streaming depuis le 17 juillet 2023.ポイントêtre の現在形は、主語が単数なら est、複数なら sont です。「〜である」「〜にある」と、主語の性質・状態・場所を説明します。 後ろに来る語(属詞)が名詞・形容詞・前置詞句なら受動態ではありません。後ろが過去分詞のときは受動態になります(est annoncé)。 ニュースの見出しや要約は、現在形で今の状況を伝えることが多いです。
02複合過去(passé composé)
avoir の現在形 + 過去分詞
Il raconte ensuite qu’au fil des saisons il a croisé des gens et, parfois, blessé quelqu’un.ポイント複合過去は「〜した」「〜したことがある」と、過去に完了した出来事を述べる最もよく使う過去形です。作り方は、助動詞 avoir(a / ont など)の現在形 + 過去分詞。-er 動詞の過去分詞は語尾が -é になります(annoncer → annoncé)。不規則な形は覚えておきましょう(faire → fait、prendre → pris、voir → vu)。 否定文は ne … pas が助動詞をはさみます(n’a pas annoncé)。 ニュースでは「発表した」「採決した」のように、すでに起きた事実を伝える場面で使います。
03半過去(imparfait)
語幹(nous の現在形)+ -ais / -ait / -ions / -iez / -aient
Dans la seconde moitié, le narrateur dit que la personne qu’il aimait est partie vers un endroit que personne ne connaît.ポイント半過去は、過去の状態・背景・習慣・途中の出来事を表します(il était, elle avait, ils pensaient)。 作り方は、nous の現在形から -ons を取った語幹に、-ais / -ais / -ait / -ions / -iez / -aient をつけます。 複合過去が「出来事そのもの」なら、半過去は「そのときの状況」を描きます。
04単純未来(futur simple)
不定詞(語幹)+ -ai / -as / -a / -ons / -ez / -ont
Il continuera à dessiner l’une comme l’autre, en accueillant les deux.ポイント単純未来は「〜するだろう」「〜する予定だ」を表します。作り方は、不定詞に -ai, -as, -a, -ons, -ez, -ont をつけます(participer → il participera)。 不規則な語幹に注意:être → ser-、avoir → aur-、aller → ir-、faire → fer-、pouvoir → pourr-、voir → verr-。 ニュースでは、確定した予定や見通しを述べるときに使われます。
05接続法(subjonctif)
il faut que / pour que / bien que + 主語 + 接続法
S’il peut continuer à marcher, pense-t-il, c’est parce qu’il souhaite que cela continue.ポイント接続法は、「事実」ではなく、願望・必要・目的・疑い・感情などを表す法です。que の節の中で使います。 接続法を引き起こす表現:il faut que(〜しなければならない)、pour que / afin que(〜するために)、bien que / quoique(〜だけれども)、avant que(〜する前に)、souhaiter que、vouloir que など。 作り方:ils の現在形から -ent を取った語幹 + -e, -es, -e, -ions, -iez, -ent。不規則:être → soit、avoir → ait、aller → aille、faire → fasse、pouvoir → puisse、savoir → sache。
06受動態(現在)
être(est / sont)+ 過去分詞(+ par / de)
En ouvrant grand une porte pour entrer dans un monde inconnu, il fait aussi penser à une curiosité ardente, qui veut mettre au jour ce qui était caché.ポイント受動態は「〜される」「〜されている」。作り方は être + 過去分詞で、過去分詞は主語の性・数に一致します(la mesure est adoptée / les mesures sont adoptées)。 行為者を示すときは par(または de)を使います。 ニュースでは、行為者より出来事を主役にしたい場面(est prévu / est annoncé / est connu)でよく使われます。
07受動態(複合過去)
a / ont été + 過去分詞
Le clip a été tourné à Yakushima et réalisé par Okuyama Hiroshi.ポイント「〜された」を表す受動態の過去形です。形は avoir の現在形 + été(être の過去分詞)+ 過去分詞。 été は変化しませんが、最後の過去分詞は主語に性・数を合わせます(la loi a été votée / les textes ont été votés)。 採決・決定・発表など、結果を伝えるニュースで頻出します。
08ジェロンディフ(gérondif)
en + 現在分詞(-ant)
Le clip officiel est à voir plus bas ; lisez les paroles sur les services officiels, en écoutant la chanson.ポイントジェロンディフは「〜しながら」「〜することで」「〜すると」を表します。形は en + 現在分詞(-ant)。 現在分詞は、nous の現在形から -ons を取って -ant をつけます(faire → faisant)。 主語はふつう主文の主語と同じです。同時に起きること、手段・方法を示します。
09代名動詞
se / s’ + 動詞
Plus on approche de ce qui est lumineux, plus ce qui est sombre se précise ; c’est pourquoi le ciel paraît encore plus lointain.ポイント代名動詞は、動詞の前に再帰代名詞(me, te, se, nous, vous)を置く動詞です。「自分を〜する」「〜される」「お互いに〜する」の意味になります。 ニュースでは、se traduire(〜につながる)、se tenir(開催される)、s’agir de(〜が問題だ)、se diffuser(広まる)などが頻出です。 se は主語に合わせて変わります(il se tient / ils se tiennent / je me souviens)。
10否定の形と否定する範囲
ne / n’ … pas・ne … plus
Dans la chanson, le geste de « faire tourner » le globe sert de comparaison à l’élan qui pousse à penser à un monde lointain ou à quelqu’un qu’on ne peut plus voir.ポイント基本は動詞を ne と pas ではさみます。母音の前では ne が n’ になります。「〜ではない」の否定が文のどの部分にかかるかを確認しましょう。ne…plus は「もう〜ない」です。
11情報源を示す selon
selon + 名詞 / 機関
Selon la presse, c’est l’écoute de « Paprika » par Miyazaki qui est à l’origine du projet, et la commande remonte à environ quatre ans.ポイントselon は「〜によると」。後ろに人や機関などの情報源を置きます。書き手が直接確認した事実と、別の機関や報道が伝えた内容を区別する表現です。
12可能・可能性を表す動詞
peut / peuvent / pourrait + 動詞の原形
S’il peut continuer à marcher, pense-t-il, c’est parce qu’il souhaite que cela continue.ポイントpouvoir の後ろには原形の動詞を置きます。peut は「〜できる・〜の可能性がある」、条件法の pourrait は「〜かもしれない」と可能性を控えめに示します。実施の確定とは限りません。
13目的を表す pour
pour + 動詞の原形
Nous utilisons « Chikyūgi » (Spinning Globe) de Kenshi Yonezu pour apprendre le vocabulaire et les expressions du japonais.ポイント「〜するために」という目的です。pour の後ろに動詞の原形を置きます。ここで示す目的と、実際にその効果が得られたかどうかは別です。
14関係代名詞 qui:名詞を後ろから説明
名詞 + qui + 動詞
À la place, nous expliquons en nos propres mots l’histoire de la chanson, le sens des mots qui y apparaissent et la grammaire.ポイントqui は、前に出た人や物について「〜する人・もの」と説明を続けます。qui 自体が後ろの動詞の主語を務めるため、その直後に同じ主語を重ねません。動詞は qui が指す名詞の数に合わせます。
Grammaire japonaise
Comprenez la structure et l’usage à partir du texte.
01Citer une source : によると
nom + によると
報道によると、宮崎監督が「パプリカ」を聴いたことがきっかけで、依頼は、約4年前にさかのぼります。À retenirによると suit le nom d’une source et signifie selon. La proposition suivante rapporte son information. Cette forme sert à attribuer l’énoncé, pas à exprimer une préférence personnelle.
02Négation polie et forme neutre
〜ではありません / 〜ではない
ことばの意味と文法は、一般的な説明で、歌の公式な解釈ではありません。À retenirではありません est la négation polie après un nom ou un adjectif en な ; ではない est la forme neutre. Repérez le groupe placé avant では pour savoir ce que la phrase nie.
03Cause ou but avec ため
〜ため / 〜ために
歌詞の全文と全文の翻訳は、著作権のため、ここには載せません。À retenirため peut exprimer une cause ou un but. 成立ではないため indique une raison ; 運転手を守るため un objectif. Le sens dépend de la proposition précédente et de la logique de la phrase.
04Donner des exemples : など
nom ou expression + など
歌詞は、公式の配信サービスなどで、見ながら読んでください。À retenirなど indique que l’élément cité est un exemple parmi d’autres. Une liste suivie de など n’est pas nécessairement exhaustive.
05Le passé poli en ました
base verbale devant ます + ました
宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌になりました。À retenirました est la terminaison passée polie d’un verbe ; sa négation est ませんでした. Le moment précis de l’événement dépend des indications de temps du texte.
06Nominaliser une proposition avec こと
proposition à la forme neutre + こと + particule
「地球儀(ちきゅうぎ)」は、地球の形をした模型で、回しながら、世界のいろいろな国や海を見ることができます。À retenirこと permet de traiter une proposition comme un groupe nominal. La particule qui suit en indique la fonction. Dans ことができる, l’ensemble exprime la possibilité ; il ne faut pas traduire chaque élément isolément.






