
茶の湯(茶道)とは:歴史・流派・道具・茶会のしくみ
茶の湯(茶道)の歴史、三千家などの流派、濃茶と薄茶、道具、茶事と茶会のちがい。ボルドーで体験できる茶会の情報もあります。
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確認日時: · 出典:JAPANITIES編集部/ウィキペディア
ポイント
茶の湯(茶道)は、湯を沸かし、抹茶を点てて、客にふるまう、日本の伝統的な芸道です。お茶を飲むだけでなく、亭主と客が、心を通わせる時間を大切にします。この記事では、歴史、流派、道具、茶会の種類を、日本語とフランス語でたどります。
名前と読み方
もとは「茶湯(さのゆ、ちゃのゆ)」と呼ばれました。千利休は「数寄道(すきどう)」と呼んだと伝えられます。小堀遠州が「茶の道」と呼んで、「道」の字が使われはじめ、17世紀の後半には「茶道」とも呼ばれるようになりました。読み方は、表千家など多くの流派では「さどう」、裏千家では「ちゃどう」です。
歴史

1168年、栄西が、宋(中国)から持ち帰った茶の種を、背振山に植えたと伝えられます。1214年には、栄西が『喫茶養生記』を、将軍の源実朝に献上しました。15世紀の後半には、村田珠光が、精神の交流を大切にする茶会を説き、「わび茶」のみなもとになりました。安土桃山時代に、武野紹鷗をへて、千利休が、わび茶を完成させました。1587年には、豊臣秀吉が、北野大茶湯を開きました。
江戸時代から現代へ
江戸時代には、三千家を中心に、家元制度がととのいました。「和敬清寂(わけいせいじゃく)」ということばが生まれたのも、この時代です。1906年には、岡倉覚三(天心)が、英語の本『茶の本(The Book of Tea)』を出版しました。茶の湯は、この本をとおして、海外にも知られるようになりました。
三千家のなりたち
千利休が亡くなったあと、茶の湯は、息子の少庵、孫の宗旦へと受けつがれました。宗旦は京都に屋敷をかまえ、その子たちが、三つの家を立てました。三男の江岑宗左が、本家の「表千家」を継ぎ、次男の一翁宗守が「武者小路千家」を、四男の仙叟宗室が「裏千家」を興しました。この三つを、あわせて「三千家(さんせんけ)」と呼びます。
表千家
表千家は、千家の本家です。名前は、分家の裏千家の「今日庵」が、表千家の「不審菴(ふしんあん)」の裏にあることから来ています。象徴の茶室は不審菴で、名は「不審花開今日春」という言葉にもとづきます。4代の江岑は、1642年に紀州藩に仕え、明治まで、歴代の家元は、紀州徳川家の茶頭をつとめました。7代の如心斎のころ、家元を頂点とする組織が整い、「七事式」という、みんなで楽しむ稽古の形も、はやりました。現在の家元は、15代の猶有斎千宗左です。
裏千家

裏千家は、「今日庵(こんにちあん)」という茶室で知られます。宗旦が、隠居するときに、茶室をすべて四男の仙叟宗室に譲って、成立しました。三千家のお点前は、基本的に似ていますが、裏千家では、薄茶をよく泡立て、茶筅は白竹で、菓子器はふたのない鉢を使う、といった特徴があります。11代の玄々斎は、明治5年の博覧会で外国人を迎えるため、いすに座る「立礼(りゅうれい)式」を考えたとされます。14代の淡々斎は、学校教育に茶道を取り入れる活動をすすめ、15代の鵬雲斎は、海外への普及に力を入れました。流派別の茶道人口は、最大規模といわれ、現在の家元は、16代の玄黙宗室(坐忘斎)です。
武者小路千家
武者小路千家は、一翁宗守が興した家で、名前は、京都の武者小路通にある家元の所在地に由来します。茶室は「官休庵(かんきゅうあん)」です。茶室のかざりは、ほかの流派より簡素で、茶事では、むだのない、合理的な動きを重んじます。三千家のなかでは、いちばん静かで、すっきりした印象の流派といわれます。
武家のあいだで育った流派

武士のあいだで育った流派もあります。「遠州流」は、3代将軍徳川家光の茶道の指南役だった小堀遠州を流祖とし、わび・さびに、整った美しさを加えた「きれい寂び」を大切にします。「織部流」は、利休七哲のひとり、古田織部が開祖です。「石州流」は片桐石州、「有楽流」は織田有楽が開祖です。ほかに、金森宗和の「宗和流」、藪内剣仲の「藪内流」、上田宗箇の「上田宗箇流」、川上不白の「江戸千家」などがあります。
濃茶と薄茶

「濃茶(こいちゃ)」は、抹茶を多めに入れて、少ない湯で「練る」お茶です。ひとつの茶碗を、客が順に回して飲みます。「薄茶(うすちゃ)」は、抹茶を少なめにして、「点てる」お茶で、客ひとりひとりに茶碗が出て、泡を立てます。ふつう、茶会で出ることが多いのは、薄茶です。
道具
茶会では、茶碗、茶入れ、茶杓、棗、釜、水指、建水、香合などの道具をつかいます。抹茶は、竹の茶筅で点てます。湯をわかす場所は、季節によって、冬は「炉(ろ)」、夏は「風炉(ふろ)」をつかいます。
懐石(料理)

「懐石(かいせき)」は、茶事で出される、簡素な料理です。茶事は、懐石をともなう正式な茶会で、料理とお茶の両方を味わいます。
茶事と茶会
「茶事」は、懐石をともなう正式な茶会で、待合、席入り、初座、中立、後座、退席の順に進みます。「茶会(大寄せ)」は、多くの客をむかえる略式の茶会で、濃茶か薄茶のどちらかを出すことが多いです。利休流の根本のことばとされるのが、「和敬清寂」です。
ボルドーで体験するなら
当サイトのイベント欄でも、ボルドーの紅茶店「Maison Un air de thé」(33 rue Buhan)で、茶道の先生の大西宗慶さんによる、約1時間の茶会が、11月6日と13日に予定されています。日本のお菓子をいただき、作法にそって、お茶を点てます。参加は1回4人まで、料金は55ユーロです。予約が必要なので、最新の案内を確かめてください。
読むときの注意
年代の一部は、「伝えられる」「とされる」という、言い伝えをふくみます。作法やことばの意味は、流派や時代でちがうことがあります。ここで紹介したのは、ごく基本的なことです。実際に学ぶときは、先生や、流派の説明にしたがってください。
文法を学ぶ / Grammaire
フランス語の文法
本文の例文から、文の形と使い方を学びましょう。
01現在形(être / avoir など)
est / sont + 属詞(名詞・形容詞・前置詞句)
La voie du thé (chanoyu, sadō ou chadō) est un art traditionnel japonais : on chauffe l’eau, on bat le thé en poudre (matcha) et on le sert aux invités.ポイントêtre の現在形は、主語が単数なら est、複数なら sont です。「〜である」「〜にある」と、主語の性質・状態・場所を説明します。 後ろに来る語(属詞)が名詞・形容詞・前置詞句なら受動態ではありません。後ろが過去分詞のときは受動態になります(est annoncé)。 ニュースの見出しや要約は、現在形で今の状況を伝えることが多いです。
02複合過去(passé composé)
avoir の現在形 + 過去分詞
C’est Kobori Enshū qui parla de « voie du thé » ; le caractère « voie » (道) s’est alors diffusé, et dans la seconde moitié du XVIIe siècle on a aussi employé « 茶道 ».ポイント複合過去は「〜した」「〜したことがある」と、過去に完了した出来事を述べる最もよく使う過去形です。作り方は、助動詞 avoir(a / ont など)の現在形 + 過去分詞。-er 動詞の過去分詞は語尾が -é になります(annoncer → annoncé)。不規則な形は覚えておきましょう(faire → fait、prendre → pris、voir → vu)。 否定文は ne … pas が助動詞をはさみます(n’a pas annoncé)。 ニュースでは「発表した」「採決した」のように、すでに起きた事実を伝える場面で使います。
03代名動詞の複合過去
se + être の現在形 + 過去分詞
À l’époque d’Edo, le système des maîtres héréditaires (iemoto) s’est organisé autour des trois maisons Sen.ポイント代名動詞(se + 動詞)の複合過去は、助動詞に必ず être を使います(il s’est diffusé / elles se sont réunies)。 se は主語に合わせて me, te, se, nous, vous と変わります。 過去分詞は、多くの場合、主語の性・数に一致します。
04半過去(imparfait)
語幹(nous の現在形)+ -ais / -ait / -ions / -iez / -aient
Cet article retrace l’histoire, les écoles, les ustensiles et les types de réunions, en japonais et en français.ポイント半過去は、過去の状態・背景・習慣・途中の出来事を表します(il était, elle avait, ils pensaient)。 作り方は、nous の現在形から -ons を取った語幹に、-ais / -ais / -ait / -ions / -iez / -aient をつけます。 複合過去が「出来事そのもの」なら、半過去は「そのときの状況」を描きます。
05条件法現在(conditionnel)
不定詞(語幹)+ -ais / -ait / -ions / -iez / -aient
Le 11e maître, Gengensai, aurait conçu à l’occasion de l’exposition de l’ère Meiji 5 (1872) le « ryūrei », service à une table, pour recevoir les étrangers.ポイント条件法は、「〜だろう」「〜かもしれない」という可能性・推測・未確認の情報や、丁寧な依頼を表します。 作り方は、未来形と同じ語幹に、半過去と同じ語尾(-ais, -ait, -ions, -iez, -aient)をつけます(pouvoir → il pourrait)。 ニュースでは「〜と報じられている」「〜の可能性がある」と断定を避けるときに使います。
06受動態(現在)
être(est / sont)+ 過去分詞(+ par / de)
Le « koicha » (thé épais) est préparé avec beaucoup de matcha et peu d’eau : on le « malaxe ».ポイント受動態は「〜される」「〜されている」。作り方は être + 過去分詞で、過去分詞は主語の性・数に一致します(la mesure est adoptée / les mesures sont adoptées)。 行為者を示すときは par(または de)を使います。 ニュースでは、行為者より出来事を主役にしたい場面(est prévu / est annoncé / est connu)でよく使われます。
07受動態(複合過去)
a / ont été + 過去分詞
La Mushakōjisenke a été fondée par Ichiō Sōshu ; son nom vient de la rue Mushakōji, à Kyoto, où se trouve la maison du maître.ポイント「〜された」を表す受動態の過去形です。形は avoir の現在形 + été(être の過去分詞)+ 過去分詞。 été は変化しませんが、最後の過去分詞は主語に性・数を合わせます(la loi a été votée / les textes ont été votés)。 採決・決定・発表など、結果を伝えるニュースで頻出します。
08ジェロンディフ(gérondif)
en + 現在分詞(-ant)
Elle est née lorsque Sōtan, en prenant sa retraite, a cédé tous ses salons à son quatrième fils Sensō Sōshitsu.ポイントジェロンディフは「〜しながら」「〜することで」「〜すると」を表します。形は en + 現在分詞(-ant)。 現在分詞は、nous の現在形から -ons を取って -ant をつけます(faire → faisant)。 主語はふつう主文の主語と同じです。同時に起きること、手段・方法を示します。
09命令法(impératif)
vous の現在形(-ez)/ nous(-ons)/ tu
La réservation est nécessaire ; vérifiez l’annonce la plus récente.ポイント命令法は、命令・依頼・助言を表します。主語は言わず、動詞だけで文を始めます(Consultez les informations.)。 vous に対する形は -ez、nous は -ons(Restons prudents.)、tu は -er 動詞で -e(Consulte)。 お知らせや注意書き(Vérifiez, Consultez, Restez informé)で非常によく使われます。
10代名動詞
se / s’ + 動詞
Il ne s’agit pas seulement de boire du thé ; l’hôte et les invités partagent un moment où les cœurs se rencontrent.ポイント代名動詞は、動詞の前に再帰代名詞(me, te, se, nous, vous)を置く動詞です。「自分を〜する」「〜される」「お互いに〜する」の意味になります。 ニュースでは、se traduire(〜につながる)、se tenir(開催される)、s’agir de(〜が問題だ)、se diffuser(広まる)などが頻出です。 se は主語に合わせて変わります(il se tient / ils se tiennent / je me souviens)。
11否定の形と否定する範囲
ne / n’ … pas・ne … plus
Il ne s’agit pas seulement de boire du thé ; l’hôte et les invités partagent un moment où les cœurs se rencontrent.ポイント基本は動詞を ne と pas ではさみます。母音の前では ne が n’ になります。「〜ではない」の否定が文のどの部分にかかるかを確認しましょう。ne…plus は「もう〜ない」です。
12情報源を示す selon
selon + 名詞 / 機関
On y goûte des pâtisseries japonaises et on prépare le thé selon les usages.ポイントselon は「〜によると」。後ろに人や機関などの情報源を置きます。書き手が直接確認した事実と、別の機関や報道が伝えた内容を区別する表現です。
13目的を表す pour
pour + 動詞の原形
Le 11e maître, Gengensai, aurait conçu à l’occasion de l’exposition de l’ère Meiji 5 (1872) le « ryūrei », service à une table, pour recevoir les étrangers.ポイント「〜するために」という目的です。pour の後ろに動詞の原形を置きます。ここで示す目的と、実際にその効果が得られたかどうかは別です。
14内容を説明する非人称構文
il s’agit de + 名詞 / 動詞の原形
Il ne s’agit pas seulement de boire du thé ; l’hôte et les invités partagent un moment où les cœurs se rencontrent.ポイント「〜のことです・〜に関する話です」と内容を説明します。il は特定の男性を指すのではなく、この構文の形式上の主語です。否定の il ne s’agit pas de は「〜という話ではありません」。
15関係代名詞 qui:名詞を後ろから説明
名詞 + qui + 動詞
C’est Kobori Enshū qui parla de « voie du thé » ; le caractère « voie » (道) s’est alors diffusé, et dans la seconde moitié du XVIIe siècle on a aussi employé « 茶道 ».ポイントqui は、前に出た人や物について「〜する人・もの」と説明を続けます。qui 自体が後ろの動詞の主語を務めるため、その直後に同じ主語を重ねません。動詞は qui が指す名詞の数に合わせます。
Grammaire japonaise
Comprenez la structure et l’usage à partir du texte.
01Cause ou but avec ため
〜ため / 〜ために
11代の玄々斎は、明治5年の博覧会で外国人を迎えるため、いすに座る「立礼(りゅうれい)式」を考えたとされます。À retenirため peut exprimer une cause ou un but. 成立ではないため indique une raison ; 運転手を守るため un objectif. Le sens dépend de la proposition précédente et de la logique de la phrase.
02Donner des exemples : など
nom ou expression + など
茶の湯(茶道)の歴史、三千家などの流派、濃茶と薄茶、道具、茶事と茶会のちがい。À retenirなど indique que l’élément cité est un exemple parmi d’autres. Une liste suivie de など n’est pas nécessairement exhaustive.
03Le passé poli en ました
base verbale devant ます + ました
もとは「茶湯(さのゆ、ちゃのゆ)」と呼ばれました。À retenirました est la terminaison passée polie d’un verbe ; sa négation est ませんでした. Le moment précis de l’événement dépend des indications de temps du texte.
04Rapporter une proposition avec と
proposition à la forme neutre + と + verbe de parole (報じる, 説明する…)
千利休は「数寄道(すきどう)」と呼んだと伝えられます。À retenirと marque ici le contenu rapporté avant un verbe comme 報じる ou 説明する. Dans 改定する方針だと報じました, toute la proposition précédant と constitue l’information rapportée. Distinguez ce contenu de l’acte de le rapporter.
05Nominaliser une proposition avec こと
proposition à la forme neutre + こと + particule
「和敬清寂(わけいせいじゃく)」ということばが生まれたのも、この時代です。À retenirこと permet de traiter une proposition comme un groupe nominal. La particule qui suit en indique la fonction. Dans ことができる, l’ensemble exprime la possibilité ; il ne faut pas traduire chaque élément isolément.
06Exprimer la possibilité en japonais
forme potentielle du verbe / 〜ことができる
ボルドーで体験できる茶会の情報もあります。À retenirできる exprime une capacité ou une possibilité. 受けられる est notamment la forme potentielle de 受ける. La terminaison られる peut aussi avoir d’autres fonctions, dont le passif : le contexte est indispensable.