JAPANITIES日本とフランスを、ことばと食でつなぐ。
UMESHU · 梅酒

梅酒を、もっとくわしく。

梅酒とは何か、材料、種類、飲み方、料理との相性、家での作り方まで、順に読み進められます。

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ひとことで

材料梅・砂糖・お酒

青梅を氷砂糖とお酒に漬けて、梅の香りと酸味を移します。発酵させる酒ではなく、漬け込んで作るお酒です。

分類リキュール

日本の酒税法では、梅酒は「リキュール」に当たります。フランスの crème de cassis やリモンチェッロの仲間です。

味甘酸っぱい

甘さと酸味、梅とお酒の香りのバランスで決まります。砂糖の量やベースの酒で、味は大きく変わります。

度数おおむね8〜15%前後

市販品の多くは10%前後ですが、銘柄で幅があります。必ずラベルのアルコール分を見てください。

数字は目安です。製品ごとに異なります。

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梅と梅酒の歴史

梅は、日本の暮らしと深く結びついた果実です。ここでは、梅酒につながる背景を簡単に紹介します。

梅と日本の暮らし

梅は、古くに中国から伝わったとされます。花を楽しむだけでなく、梅干しなどの保存食や、民間の薬用としても親しまれてきました。

梅仕事

6月ごろ、青梅が出回る時期に、梅干し・梅シロップ・梅酒などを仕込むことを「梅仕事(うめしごと)」と呼びます。季節の家事として、各家庭に受け継がれています。

文献と家庭の習慣

江戸時代の書物にも梅酒を思わせる記述があるとされ、家庭で漬ける習慣は長く続いてきました。くわしい年代は資料によって異なります。

今の梅酒

今では、酒造会社や蔵元、梅の産地の事業者が、さまざまな梅酒を造っています。日本酒や焼酎をベースにしたもの、梅の種類にこだわったものなど、選択肢が広がっています。

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ベースの酒で味が変わる

同じ梅と砂糖でも、何に漬けるかで香りと口当たりが変わります。

ホワイトリカー

梅の香りがそのまま出ます。家庭で作るときの定番で、35度のものが使われます。

日本酒

やわらかく、米の風味が加わります。軽めの仕上がりになります。

焼酎

芋や麦の焼酎なら、原料の香りが重なります。

ブランデー・ウイスキー

樽の香りが加わり、コクのある味になります。

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梅酒の種類

名前の付け方に決まりはありませんが、よく見る型です。

種類特徴向いている飲み方
定番(ホワイトリカー)すっきり。梅の酸味がよく分かるロック・ソーダ割り
日本酒ベースまろやかで軽い冷やして、そのまま
ブランデーベースコクがあり、香りが深いストレート・少量をゆっくり
にごり梅酒果肉を残し、とろみがある冷やして、よく混ぜて
黒糖梅酒黒糖のコクが加わるロック・お湯割り
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梅と産地

梅酒の味は、梅の質に左右されます。梅の収穫は、日本では5月下旬から6月ごろです。

青梅(あおうめ)

まだ熟していない固い実。香りが高く、梅酒に向きます。

熟した梅

黄色く色づいた実。甘い香りがあり、やわらかい仕上がりになります。

紀州(和歌山)の南高梅

和歌山県は梅の産地として知られ、大粒で果肉が厚い「南高梅」が有名です。

氷砂糖

ゆっくり溶けて、梅のエキスをゆるやかに引き出します。

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梅の品種と選び方

品種によって、実の大きさ、香り、果肉のようすが違います。

南高梅(なんこううめ)

大粒で果肉が厚く、梅酒にも梅干しにもよく使われます。和歌山県が代表的な産地です。

白加賀(しろかが)など

比較的固く、すっきりした香りとされます。ほかにも、小粒で香りの強い品種があります。

選ぶときの目安

傷やしわが少なく、固くて、緑色が濃いものを選びます。黄色くなったものは、甘い香りの梅酒になります。

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ラベルの読み方

市販の梅酒は、ラベルを見ると味の見当がつきます。ここでは、見る場所を整理します。

見る場所見かける表記ポイント
原材料名梅、糖類、ブランデー、醸造アルコール など日本の表示では、一般に使用量の多い順に書かれます。梅が最初に来るか、何がベースかを確認します。
添加物酸味料、香料 など入っていないものを選びたいときは、ここを見ます。
アルコール分○度、○%割って飲むなら低めでも、ストレートなら高めでも楽しめます。
産地・製造者国産梅、和歌山県産、○○酒造 など梅の産地や、造り手の個性を知る手がかりです。
甘さ・梅の量甘口・辛口、梅の使用量 など書かれている商品もあります。書かれていなければ、少量を試してから選びます。
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熟成で味はどう変わる?

梅酒は、漬けた日から少しずつ味が変わります。期間は目安です。

期間色と香り味の目安
約1か月薄い黄色、青い梅の香り酸味と角が立ち、まだ若い
約3か月黄金色梅の風味が出て、飲み始められる
約6か月色が濃くなるまろやかになり、バランスがよくなる
約1年琥珀色梅を取り出す目安。味が落ち着く
2〜3年以上深い琥珀色香りが複雑に。好みが分かれる
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飲み方

甘いので、割って飲むと食事にも合わせやすくなります。

飲み方割り方の目安特徴
ロック氷にそのまま注ぐ香りと甘さをそのまま楽しむ
ソーダ割り梅酒1:ソーダ2〜3軽く爽やか。食事に合わせやすい
水割り梅酒1:水1〜2やさしい味で、飲み疲れしにくい
お湯割り梅酒1:お湯1〜2体が温まる。冬向き
ストレート小さなグラスで少量食後酒(デザート酒)として

割合は好みで調整してください。

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アレンジ:フランスで手に入るもので

日本の材料がなくても、スーパーで買えるものでできるアレンジです。分量は目安です。

梅酒ソーダ

氷を入れたグラスに、梅酒40ml、炭酸水80〜120ml(Perrier、Badoit、San Pellegrino など)を入れ、軽く混ぜます。レモンを少し絞ります。

梅酒トニック

梅酒40mlにトニックウォーター100mlと氷。ライム(citron vert)を添えると、さっぱり飲めます。

梅酒キール(Kir)

フランスのキールのように、辛口の白ワインやクレマン(Crémant de Bordeaux など)100mlに、梅酒を20mlほど加えます。ボルドーの白ワインとも合わせられます。

梅酒ジンジャー

梅酒40mlにジンジャーエールまたは ginger beer を80ml。薄切りのレモンを添えます。

ホット梅酒

梅酒50mlにお湯100ml。しょうがを1枚入れると、体が温まります。

バニラアイスにかける

バニラアイスに、梅酒を小さじ1〜2。漬けた梅を刻んで添えると、手軽なデザートになります。

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料理と合わせる

甘酸っぱさは、脂のある料理や塩気のあるものと相性が良いです。

唐揚げ・揚げ物

ソーダ割りが、油をさっぱりさせます。

餃子・中華

酸味が、タレや脂とよく合います。

チーズ・生ハム

甘みと塩気の組み合わせです。フランスの食卓にも合います。

バニラアイス

少量をかけると、簡単なデザートになります。

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日本酒・ワインとの違い

「梅のワイン」と呼ばれることがありますが、作り方は別のものです。

項目梅酒日本酒ワイン
作り方梅をお酒に漬ける(浸漬)米と麹を発酵させるぶどうを発酵させる
主な原料梅・砂糖・お酒米・米麹・水ぶどう
分類リキュール醸造酒醸造酒
甘さ甘いものが多い甘口〜辛口甘口〜辛口
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フランスのリキュールと比べる

「果物をお酒に漬けて甘くする」点は、ヨーロッパのリキュールにも通じます。

項目梅酒クレーム・ド・カシスリモンチェッロ
主な果実青梅黒すぐり(カシス)レモンの皮
度数の目安約10〜15%約15〜20%約25〜30%
味甘酸っぱく、梅の香り濃厚で甘い、ベリーの香り柑橘の香りが強い
飲み方ロック・ソーダ割り・キール風キール・カクテル食後に冷やして
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家で作る

日本の家庭で長く親しまれてきた作り方です。材料は少なく、手順も多くありません。

材料(目安)分量
青梅1kg
氷砂糖500g〜1kg(好みで)
ホワイトリカー(35度)1.8L
  1. 1

    梅を洗う

    傷のない梅を選び、洗って水気をよくふきます。

  2. 2

    へたを取る

    竹串で、へたを取ります。

  3. 3

    容器に入れる

    消毒した保存びんに、梅と氷砂糖を交互に入れます。

  4. 4

    お酒を注ぐ

    ホワイトリカーを注ぎ、冷暗所で保存します。

  5. 5

    待つ

    ときどき、びんをやさしくゆすります。3か月ほどで飲めますが、半年〜1年おくと味がまるくなります。

日本では、販売をしないこと、アルコール度数20度以上のお酒を使うことなどの条件で、家庭で梅酒を作れます。国や地域で規則が違うため、お住まいの地域のルールを確認してください。青梅の実や種を、そのまま食べないでください。

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フランスで作る梅酒レシピ

日本の梅やホワイトリカーが手に入らなくても、フランスで買えるものを使って作れます。梅の入手がいちばんの課題なので、まず材料の置きかえから見ていきます。

日本の材料フランスで使うもの買える場所と注意
青梅生の青梅(日本食材店)、冷凍の梅、または固いプラム生の青梅は、6月ごろに入荷する店があります(要問い合わせ)。代わりに、まだ固い小粒のプラム(mirabelle、Reine-Claude など)を使うと風味は変わりますが作れます。
氷砂糖sucre candi(blanc)スーパーの製菓・砂糖売り場にあります。なければ普通のグラニュー糖でも作れますが、早く溶けます。
ホワイトリカー(35度)ウォッカ(37.5〜40度)、または fruits 用の alcool blanc(40度前後)スーパーや酒店で買えます。度数が高いと抽出が早く、味は強めになります。ラベルの度数を確認してください。
保存びんbocal à joint(Le Parfait、Weck など)1.5〜3Lスーパー、ホームセンター、台所用品店にあります。熱湯で消毒し、よく乾かします。
竹串piques en bois(cure-dents)へたを取るのに使います。
  1. 1

    材料(3Lびん1本分の目安)

    青梅(または固いプラム)1kg、sucre candi 500g〜700g、ウォッカ(37.5〜40度)または alcool blanc 1.8L。

  2. 2

    1. 洗って乾かす

    傷のない実を選び、流水で洗って、キッチンペーパーで水気をよくふきます。水気が残るとカビの原因になります。

  3. 3

    2. へたを取る

    竹串(または cure-dents)で、へたを一つずつ取ります。

  4. 4

    3. びんに入れる

    熱湯で消毒して乾かしたびんに、実と砂糖を交互に入れます。

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    4. お酒を注ぐ

    実が浸るまで、ウォッカ(または alcool blanc)を注いで蓋を閉めます。冷暗所(食器棚の中など)に置きます。

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    5. ときどきゆする

    最初の1〜2週間は、砂糖を溶かすように、ときどきびんをゆすります。

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    6. 待つ・取り出す

    3か月ほどで飲み始められ、半年〜1年でまろやかになります。プラムは梅より実が崩れやすいため、味を見ながら3〜6か月を目安に実を取り出してもかまいません。

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    お酒を使わないなら:梅シロップ

    青梅1kgと sucre candi 1kgを、消毒したびんに交互に入れます。1〜2週間で梅のエキスが出ます。水や炭酸水で割って飲みます。

これらの分量と期間は、日本で一般に紹介されている目安に、フランスで買える材料を当てはめたものです。実や砂糖の状態で仕上がりは変わります。自家製のお酒について、販売や提供の規則は国ごとに異なるため、お住まいの国のルールを確認してください。生の青梅や種は、そのまま食べないでください。

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うまくいかないときは

見た目で心配になりやすい点と、対処の目安です。気になるときは、においを確かめてください。

状態考えられる理由対応の目安
梅が浮く氷砂糖がまだ溶けきっていないときどきびんをゆすり、梅が液に浸るようにします
白く濁る・沈殿梅のエキスや砂糖で出ることがある変なにおいやカビがなければ、多くは問題ありません
梅がしわしわ梅の水分が出ている自然な変化です
苦い・えぐい梅を長く入れすぎた、または種の影響1年を目安に梅を取り出します
カビ・異臭消毒や乾燥が足りなかった飲まずに処分し、次回はびんの消毒と水気の除去を徹底します
甘すぎる砂糖が多かった炭酸水や氷で割ります。次回は砂糖を減らします

取り出した梅は、少量ならそのまま食べられます。アイスに添えたり、ケーキに刻んで入れたりしても楽しめます。種は食べません。

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フランスで買うとき

日本食材店やオンラインで見つかります。名前の付け方がさまざまなので、ラベルを確認してください。

呼び名

「umeshu」「Japanese plum liqueur」などと書かれます。英語の「plum wine」は通称です。

度数と甘さ

度数、砂糖の量、ベースの酒が書かれているものを選ぶと、好みに近づけます。

保存

開栓後は、冷暗所か冷蔵庫に置き、早めに飲み切ります。

飲みすぎに注意

甘くて飲みやすいですが、アルコールは入っています。

QUESTIONS & ANSWERS

よくある質問

梅酒とは何ですか?

梅酒は、青梅を氷砂糖とお酒に漬け込んで作る、甘酸っぱいお酒です。発酵させて作る日本酒やワインとは違い、漬けて作るリキュールにあたります。

梅酒のアルコール度数はどれくらいですか?

市販品の多くは10%前後ですが、銘柄によって幅があります。ラベルのアルコール分で確認してください。

梅酒はどう飲むとおいしいですか?

ロック、ソーダ割り、水割り、お湯割り、ストレートなどがあります。甘いので、ソーダ割りは食事にも合わせやすい飲み方です。

梅酒は家で作れますか?

日本では、販売しないこと、20度以上のお酒を使うことなどの条件で、家庭で作れます。材料は青梅・氷砂糖・ホワイトリカーで、3か月ほどで飲めます。国や地域で規則が違うため、お住まいの地域のルールを確認してください。

フランスで梅酒は買えますか?

日本食材店やオンラインで見つかります。ラベルには「umeshu」「Japanese plum liqueur」などと書かれることが多く、英語の「plum wine」は通称です。

フランスの材料で梅酒は作れますか?

作れます。氷砂糖は sucre candi、ホワイトリカーはウォッカ(37.5〜40度)や果実用の alcool blanc、保存びんは Le Parfait などの bocal で代用できます。青梅は日本食材店で6月ごろに入る店があり、なければ固い小粒のプラムでも作れますが、風味は変わります。

梅酒に漬けた梅は食べられますか?

少量ならそのまま食べられます。アイスに添えたり、ケーキに刻んで入れたりしても楽しめます。ただし、種は食べないでください。

梅酒はどれくらいで飲めますか?

3か月ほどで飲み始められます。半年から1年でまろやかになり、1年を目安に梅を取り出します。期間は目安で、好みで調整してください。