
武道とは? 九つの種目と、心・技・体を育てる日本の文化
柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道。九種目の違いと、歴史・礼・稽古をアニメ調の挿絵と日仏のことばでやさしく紹介します。
編集:EMA
確認日時: · 出典:JAPANITIES
武道とは? 技を学び、人として成長する道
武道は、日本で発展してきた身体文化です。技を身につけながら、心と体を鍛え、相手を尊重する姿勢も育てます。試合に勝つことを目指す種目でも、勝敗だけが目的ではありません。まずは九つの種目を知り、自分が気になる「道」を見つけてみましょう。
歴史をひと目で|昔の技から、今の学びへ
武道には、古くからの武術や身体文化を受け継ぐものも、近代に形づくられたものもあります。すべてが同じ時代に、同じ形で生まれたわけではありません。たとえば、嘉納治五郎は1882年に講道館を創設。合気道は植芝盛平が創始し、合気会の年表では1942年にその名称が採用されています。1987年には日本武道協議会が「武道憲章」を制定し、礼儀や自己を磨く姿勢を共通の理念として示しました。
日本武道協議会が示す九つの種目
日本武道協議会の「武道の定義」は、次の九つを挙げています。この一覧は、世界の格闘技や日本の古武術をすべてまとめたものではなく、同協議会が示す武道の枠組みです。
| 種目 | 読み方 | まず知りたい特徴 |
|---|---|---|
| 柔道 | じゅうどう | 組み合い、投げ技や固め技を学ぶ |
| 剣道 | けんどう | 竹刀・防具を使い、剣の理法を学ぶ |
| 弓道 | きゅうどう | 弓と矢を使い、射る動作と心を整える |
| 相撲 | すもう | 土俵で押す・組む・投げる |
| 空手道 | からてどう | 突き・蹴り・受け、形と組手を学ぶ |
| 合気道 | あいきどう | 相手との動きの関係を学び、技を交互に稽古する |
| 少林寺拳法 | しょうりんじけんぽう | 二人で協力し、技と人づくりを学ぶ |
| なぎなた | なぎなた | 長い柄の用具を使い、打突や演技を学ぶ |
| 銃剣道 | じゅうけんどう | 木銃と防具を使い、突き技を学ぶ |
① 柔道|相手と組み、体の使い方を学ぶ

柔道は、相手の道衣をつかんで組み合い、投げ技や固め技を学ぶ武道です。初心者は、転んだときの衝撃を和らげる「受け身」から少しずつ練習します。嘉納治五郎が説いた「精力善用」「自他共栄」は、力を有効に使い、互いに高め合うという考え方です。
② 剣道|竹刀を通して、自分を磨く

剣道では、竹刀と防具を用いて、姿勢や足さばき、間合い、打突を学びます。ただ相手に当てればよい、というものではありません。全日本剣道連盟は、剣の理法を学ぶことを人間形成につなげると説明しています。挿絵は、打ち合わずに構えを確認する場面です。
③ 弓道|一射に集中する

弓道では、日本の弓と矢を使って的に向かいます。的に当たったかだけでなく、姿勢、呼吸、射るまでの一連の動作も大切にします。基本の動作は「射法八節」と呼ばれる八つの段階で学びます。静かな姿に見えても、全身と心を使う稽古です。
④ 相撲|土俵で向き合う

相撲では、相手を土俵の外へ出すか、相手の足の裏以外を地面につけることが基本的な勝利条件です。押す、組む、投げるなどの動きの中で、姿勢やバランスも重要になります。テレビで見る大相撲だけでなく、学校や地域で取り組むアマチュア相撲もあります。
⑤ 空手道|突き・蹴り・形と組手

空手道は沖縄の武術を背景に発展しました。突きや蹴り、受けなどを学び、決まった動きをつなぐ「形」と、相手と向き合う「組手」があります。流派や団体によって稽古や試合のルールは異なります。力任せに動くのではなく、技を正確にコントロールすることが大切です。
⑥ 合気道|相手と動き、交互に学ぶ

合気道は植芝盛平が創始した武道です。相手の動きや力の方向を感じながら、投げ技や関節を制する技などを稽古します。合気会では、勝敗を決める試合は行わず、技をかける側と受ける側を交代します。ここでは合気会の説明を紹介しています。稽古の方法は流派によって異なります。
⑦ 少林寺拳法|二人で育つ、強さとやさしさ

少林寺拳法は、宗道臣が1947年に香川県多度津町で創始しました。技を学ぶことと、社会に役立つ人を育てることを結び付けています。二人で協力して稽古することを重視し、強さだけでなく、思いやりや判断力も育てます。挿絵は、手のひらを合わせる「合掌礼」の場面です。
⑧ なぎなた|長い用具を、全身で扱う

なぎなたは、長い柄の先に刃部を持つ用具を使う武道です。現代の稽古では、用具の特徴を生かした打突や、持ち替え、足さばきを学びます。試合競技と演技競技があり、左右の動きを使いながら相手との間合いを考えます。性別にかかわらず取り組まれています。
⑨ 銃剣道|木銃で学ぶ、突きと間合い

銃剣道では「木銃」という木製の用具と防具を使い、突き技を学びます。射撃をする競技ではありません。フランス式銃剣術と日本の槍術を背景に発展した点にも、日仏のつながりが見えます。挿絵は打突をせず、木銃の構えを確認する場面です。
九種目に共通するもの|礼、稽古、相手への敬意
種目が違っても、相手への敬意をもって繰り返し学ぶ姿勢は共通しています。道場は、技を試すだけでなく、心と体を整える場所。礼の形や道具の扱いは種目によって違うため、先生の説明を聞いて覚えます。強さを、人を威圧するためではなく、自分を律する力につなげていくのが大切な視点です。
初めてなら、どこから?
気になる道場の見学や体験から始めてみましょう。初心者向けのクラス、稽古の雰囲気、必要な道具、費用を聞くとイメージがつかめます。体格や年齢、国籍だけで向き不向きを決める必要はありません。自分のペースを尊重し、安全に教えてくれる場所を選ぶことが大切です。投げ技や打突は、指導者のもとで学びましょう。
よくある質問
武道とスポーツは別物? 武道にも競技の面があります。勝敗を競うことと、礼や人格を育てることは両立します。 日本人でないとできない? 日本の外でも学ばれています。言葉や礼の意味を少しずつ覚えながら、異なる背景の仲間と稽古できます。 黒帯ならすべて同じ強さ? 段級位や帯の制度は種目・団体ごとに異なり、単純には比較できません。
これからの武道シリーズ
今回は九種目の入口を紹介しました。JAPANITIESでは、柔道・合気道・剣道を順に詳しく取り上げる予定です。歴史、道具、稽古の流れ、日本語のことばを、日仏で学べるシリーズにしていきます。
文法を学ぶ / Grammaire
フランス語の文法
本文の例文から、文の形と使い方を学びましょう。
01pour + 不定詞|目的を表す
pour + 動詞の不定詞
On saisit la tenue du partenaire pour travailler les projections et les contrôles.ポイントpour の後ろに不定詞を置くと「〜するために」と目的を表します。ここでは pour travailler が「投げ技や固め技を練習するために」です。on は特定の一人ではなく、稽古する人々を一般的に指します。
02selon + 名詞|〜によって
selon + 名詞
Les règles varient selon les écoles et les organisations.ポイントこの文の selon は「〜によって」という違いの基準を示します。varient は varier の現在形・3人称複数で、主語 Les règles に対応します。selon la chronologie のように、情報源を表して「〜によると」という意味でも使います。
03en + 現在分詞|〜しながら
en + 現在分詞
On étudie notamment les projections et les contrôles articulaires en tenant compte du mouvement et de la direction de la force du partenaire.ポイントen tenant compte de は「〜を考慮しながら」という意味です。tenir の現在分詞 tenant の前に en を置きます。主語 on が、技を学ぶことと相手の動きを考慮することの両方を行っています。
04être + 過去分詞|〜される
être + 過去分詞
Elle est pratiquée par des femmes comme par des hommes.ポイントest pratiquée は「実践されている」という受動態です。主語 Elle は女性名詞 la naginata を受けるため、過去分詞 pratiquer → pratiqué に e が付きます。par の後ろは、その行為をする人です。
05ne … pas|否定の形
ne + 動詞 + pas
Elles ne sont pas toutes nées au même moment.ポイントne と pas で動詞 sont を挟みます。pas toutes は「すべてが〜というわけではない」という部分否定です。この文は「すべてが同じ時期に生まれたわけではない」。nées の -es は、主語 Elles が女性複数(disciplines)であることに対応します。
Grammaire japonaise
Comprenez la structure et l’usage à partir du texte.
01Faire deux actions : 〜ながら
base en ます + ながら
技を身につけながら、心と体を鍛えます。À retenirながら relie deux actions simultanées accomplies par le même sujet. On retire ます : 身につけます → 身につけながら. L’action principale vient ensuite : ici, on développe le corps et l’esprit tout en apprenant des techniques.
02Pas seulement : 〜だけでなく
nom + だけでなく + autre élément
強さだけでなく、思いやりや判断力も育てます。À retenirだけでなく signifie « non seulement… mais aussi… ». も souligne le deuxième élément. La phrase associe donc la force, l’attention à l’autre et le discernement.
03Varier selon : 〜によって
nom + によって
流派や団体によって稽古や試合のルールは異なります。À retenirによって indique ici le critère dont dépend une variation : « selon les écoles et les organisations ». 異なります est la forme polie de 異なる, « être différent ». や présente des exemples sans prétendre énumérer toutes les possibilités.
04Sans faire : 〜ずに
base négative + ずに
挿絵は、打ち合わずに構えを確認する場面です。À retenirずに signifie « sans faire ». On part de la forme négative : 打ち合わない → 打ち合わずに, « sans échanger de frappes ». Le verbe suivant indique l’action réalisée : 確認する, « vérifier ». Attention à l’exception する → せずに.
05Ne pas être obligé : 〜必要はありません
verbe au dictionnaire + 必要はありません
体格や年齢、国籍だけで向き不向きを決める必要はありません。À retenir必要 signifie « nécessité ». Un verbe à la forme du dictionnaire précise ce qui n’est pas nécessaire : 決める必要はありません, « il n’est pas nécessaire de décider ». Ce n’est pas une interdiction : la phrase enlève une obligation.