焼酎はどんなお酒?
米・麦・芋・黒糖などを麹と酵母で発酵させ、蒸溜した日本の蒸溜酒です。ウイスキーのような樽熟成が前提ではなく、原料の香りがそのまま個性になります。
JAPANITIES · SHOCHU & AWAMORI
芋、麦、米、黒糖。原料と麹で、香りも飲み口も大きく変わる蒸溜酒です。種類、作り方、麹、産地、飲み方、泡盛との違いを、順にひもときます。
編集:JAPANITIES|確認日:2026年11月5日
覚えたいのは「原料・麹・蒸溜のしかた」。
米・麦・芋・黒糖などを麹と酵母で発酵させ、蒸溜した日本の蒸溜酒です。ウイスキーのような樽熟成が前提ではなく、原料の香りがそのまま個性になります。
日本酒は発酵させた酒(醸造酒)で、焼酎はそれを蒸溜した酒(蒸溜酒)。そのため焼酎は、日本酒より度数が高めで、香りの幅が原料ごとに広がります。
お湯割り、水割り、ロック、ソーダ割りが定番です。まず軽い飲み方で香りを知ってから、好みの割り方を探してみてください。
Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · JETRO · Fiche produit : boissons alcoolisées japonaises
↑ 目次法律では、蒸溜のしかたで分けます。
連続式蒸留機で蒸溜したもので、アルコール分は36度未満。くせが少なく、チューハイや果実酒のベースにも使われます。
連続式以外(主に単式蒸留器)で蒸溜したもので、アルコール分は45度以下。穀類・芋・黒糖など指定の原料と麹を使い、水以外を加えないものを「本格焼酎」と呼びます。原料の香りが残るのが魅力です。
芋焼酎は甘くふくよかな香り、麦焼酎は軽く香ばしい口当たり、米焼酎はやわらかな甘み、黒糖焼酎は穏やかな甘い香り、そば焼酎は軽い風味、という傾向があります。感じ方には幅があり、製品ごとに違います。
Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū
↑ 目次グラスを鼻に近づけたときの第一印象と、口に含んだ後に残る香りに注目してください。以下は典型例で、同じ原料でも麹・品種・蒸溜・貯蔵によって表情は変わります。
代表産地は鹿児島。蒸したさつまいもを思わせるふっくらした香りが目印です。品種や造りによって花や果物を連想させるものも。お湯割りにすると、立ちのぼる香りの違いを感じやすくなります。
大分や長崎県の壱岐が代表例。減圧なら軽快な穀物香、常圧なら炒った麦を思わせる余韻が出ることがあります。原材料の「大麦・麦麹」と「大麦・米麹」を比べると、同じ麦焼酎でも仕込みの違いがわかります。
熊本県の人吉・球磨が代表産地。主原料にも麹にも米を使います。炊きたての米を思わせる穏やかな香りから、果実を思わせる軽やかなタイプ、米の厚みが残るタイプまであります。
奄美群島の特産で、黒糖と米麹を用います。黒糖やカラメルを連想させる香りがしても、砂糖を溶かした飲み物のように甘いとは限りません。香りと口に残る甘さを分けて比べてみてください。
宮崎県などで造られます。そばの実を思わせる穏やかな穀物香と、軽い口当たりが特徴の一例です。香ばしい麦焼酎と並べると、後から残るそばの風味を探しやすくなります。
Sources : Japan Sake and Shochu Makers Association · Les matières premières
↑ 目次日本酒と同じ「麹」から始まるのが特徴です。

米や麦に麹菌をつけて育て、でんぷんを糖に変える酵素を準備します。焼酎では、白麹・黒麹・黄麹などが使われます。

麹と水と酵母を合わせ、酵母を十分に増やします。

蒸した芋や麦、米などの主原料を加え、さらに発酵させます。ここで香りの個性が生まれます。

発酵したもろみを蒸溜器で加熱し、立ちのぼる蒸気を冷やして液体にします。

タンクやかめで寝かせ、味をなじませてから、水で度数を調えて瓶に詰めます。
Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū
↑ 目次同じ原料でも、麹で味の方向が変わります。
黒麹から生まれた麹で、やわらかく、すっきり飲みやすい傾向があります。現在、多くの焼酎に使われています。
力強く、コクのある味わいに向かう傾向があります。泡盛にも使われます。
日本酒と同じ系統の麹で、フルーティーで華やかな香りに向かう傾向があります。
Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū
↑ 目次蒸溜のしかたも、味を決める大切な要素です。

ふつうの気圧で蒸溜します。原料の香りや味が濃く出て、コクのある仕上がりになりやすい方法です。

ポンプで蒸溜器内の圧力を下げると、もろみの沸点が下がり、常圧より低い温度で蒸溜できます。軽やかですっきりした味わいになります。
Sources : Japan Sake and Shochu Makers Association · La fabrication · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū
↑ 目次原料が育つ土地と、焼酎の個性は結びついています。
さつまいもの産地で、芋焼酎の中心地。「薩摩」は地理的表示(GI)に指定されています。
米焼酎で知られ、「球磨」もGIに指定されています。
麦焼酎の産地として知られます。
麦に米麹を合わせる伝統があり、「壱岐」もGIです。
芋焼酎のほか、そば焼酎でも知られます。
黒糖と米麹でつくる黒糖焼酎は、奄美群島で造られる焼酎です。
Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū
↑ 目次同じ焼酎でも、割り方で印象が変わります。
先にお湯(または水)を入れ、あとから焼酎を注ぐのが基本です。焼酎6:お湯4(ロクヨン)が定番とされます。香りが開き、芋焼酎に特に人気です。
水割りは食事に合わせやすく、ロックは氷が溶けながら味が変わっていきます。
軽くさわやかで、はじめての人にも飲みやすい割り方です。レモンなどを添えても。
飲む前に焼酎と水をあらかじめ混ぜて寝かせておく方法です。口当たりがやわらかくなります。
鹿児島の伝統的な土瓶です。割った焼酎を入れて温め、じっくり楽しみます。
Sources : Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū
↑ 目次焼酎の仲間ですが、原料も麹もはっきり違います。
沖縄で造られる蒸溜酒で、タイ米(長粒種)と黒麹を使い、一度だけ仕込み、単式蒸留するのが特徴です。一般の焼酎は一次・二次の二段階で仕込むことが多い点が異なります。
3年以上貯蔵した泡盛を古酒と呼びます。時間とともに、まろやかさと甘い香りが増すとされます。表示の基準(すべてが3年以上のものか、ブレンドか)は商品ごとに確認してください。
Sources : Gouvernement du Japon (Highlighting Japan) · Awamori, mars 2025
↑ 目次まず、原料と度数、蒸溜のしかたを見ます。

図は架空の商品例です。表の「芋」はさつまいもが主原料という意味。裏に「さつまいも・米麹」とあれば、芋に米で育てた麹を合わせた仕込みです。「25度」はアルコール分25%、「720 mL」は瓶の内容量。常圧・減圧の記載がない場合、度数や原料だけでは蒸溜時の圧力はわかりません。
①原材料(芋・麦・米・黒糖・麹の種類)②アルコール分(20〜25度の製品が多い)③単式蒸留か連続式か ④常圧か減圧か。この4つで、おおよその味の方向がつかめます。
日本食材店や専門の酒屋で扱われることがあります。品ぞろえや価格は店で違うので、在庫は店に確認してください。
一般に焼酎のほうがアルコール分が高めです。日本酒は醸造酒、焼酎は蒸溜酒で、造り方が違います。ただし、飲み方で薄めれば強さは調整できます。
米、麦、芋、黒糖、そばなど、さまざまです。本格焼酎では、指定された原料と麹を使い、水以外を加えません。
近い仲間ですが、泡盛は沖縄で、タイ米と黒麹を使い、一段階で仕込む点が違います。
ソーダ割りか水割りで、軽めの麦焼酎や米焼酎から試すと入りやすいです。芋焼酎は、お湯割りで香りを楽しんでみてください。
多くはタンクなどで寝かせるだけで、樽熟成が前提のウイスキーとは違います。古酒(泡盛)や長期貯蔵の焼酎のように、時間をかけるものもあります。