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焼酎・泡盛

芋、麦、米、黒糖。原料と麹で、香りも飲み口も大きく変わる蒸溜酒です。種類、作り方、麹、産地、飲み方、泡盛との違いを、順にひもときます。

編集:JAPANITIES|確認日:2026年11月5日

目次
  1. まず、3分でわかる
  2. 種類を整理:甲類と乙類(本格焼酎)
  3. 原料で飲み比べる:芋・麦・米・黒糖・そば
  4. 作り方:麹から蒸溜まで
  5. 麹のちがい:白・黒・黄
  6. 常圧蒸溜と減圧蒸溜
  7. 産地と代表的な個性
  8. 飲み方ガイド
  9. 泡盛:沖縄の蒸溜酒
  10. ラベルの読み方
01

まず、3分でわかる

覚えたいのは「原料・麹・蒸溜のしかた」。

焼酎はどんなお酒?

米・麦・芋・黒糖などを麹と酵母で発酵させ、蒸溜した日本の蒸溜酒です。ウイスキーのような樽熟成が前提ではなく、原料の香りがそのまま個性になります。

日本酒との違い

日本酒は発酵させた酒(醸造酒)で、焼酎はそれを蒸溜した酒(蒸溜酒)。そのため焼酎は、日本酒より度数が高めで、香りの幅が原料ごとに広がります。

どう飲む?

お湯割り、水割り、ロック、ソーダ割りが定番です。まず軽い飲み方で香りを知ってから、好みの割り方を探してみてください。

Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · JETRO · Fiche produit : boissons alcoolisées japonaises

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02

種類を整理:甲類と乙類(本格焼酎)

法律では、蒸溜のしかたで分けます。

連続式蒸留焼酎(甲類)

連続式蒸留機で蒸溜したもので、アルコール分は36度未満。くせが少なく、チューハイや果実酒のベースにも使われます。

単式蒸留焼酎(乙類・本格焼酎)

連続式以外(主に単式蒸留器)で蒸溜したもので、アルコール分は45度以下。穀類・芋・黒糖など指定の原料と麹を使い、水以外を加えないものを「本格焼酎」と呼びます。原料の香りが残るのが魅力です。

原料でわかれる個性

芋焼酎は甘くふくよかな香り、麦焼酎は軽く香ばしい口当たり、米焼酎はやわらかな甘み、黒糖焼酎は穏やかな甘い香り、そば焼酎は軽い風味、という傾向があります。感じ方には幅があり、製品ごとに違います。

Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū

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03

原料で飲み比べる:芋・麦・米・黒糖・そば

グラスを鼻に近づけたときの第一印象と、口に含んだ後に残る香りに注目してください。以下は典型例で、同じ原料でも麹・品種・蒸溜・貯蔵によって表情は変わります。

芋焼酎|蒸し芋を思わせる丸い香り

代表産地は鹿児島。蒸したさつまいもを思わせるふっくらした香りが目印です。品種や造りによって花や果物を連想させるものも。お湯割りにすると、立ちのぼる香りの違いを感じやすくなります。

麦焼酎|軽い穀物香から麦茶のような香ばしさまで

大分や長崎県の壱岐が代表例。減圧なら軽快な穀物香、常圧なら炒った麦を思わせる余韻が出ることがあります。原材料の「大麦・麦麹」と「大麦・米麹」を比べると、同じ麦焼酎でも仕込みの違いがわかります。

米焼酎|炊いた米のやわらかな香り

熊本県の人吉・球磨が代表産地。主原料にも麹にも米を使います。炊きたての米を思わせる穏やかな香りから、果実を思わせる軽やかなタイプ、米の厚みが残るタイプまであります。

黒糖焼酎|黒糖の香りと軽い後口

奄美群島の特産で、黒糖と米麹を用います。黒糖やカラメルを連想させる香りがしても、砂糖を溶かした飲み物のように甘いとは限りません。香りと口に残る甘さを分けて比べてみてください。

そば焼酎|ほのかなそばの実の風味

宮崎県などで造られます。そばの実を思わせる穏やかな穀物香と、軽い口当たりが特徴の一例です。香ばしい麦焼酎と並べると、後から残るそばの風味を探しやすくなります。

Sources : Japan Sake and Shochu Makers Association · Les matières premières

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04

作り方:麹から蒸溜まで

日本酒と同じ「麹」から始まるのが特徴です。

① 麹をつくる

① 麹をつくる

米や麦に麹菌をつけて育て、でんぷんを糖に変える酵素を準備します。焼酎では、白麹・黒麹・黄麹などが使われます。

② 一次もろみ

② 一次もろみ

麹と水と酵母を合わせ、酵母を十分に増やします。

③ 二次もろみ

③ 二次もろみ

蒸した芋や麦、米などの主原料を加え、さらに発酵させます。ここで香りの個性が生まれます。

④ 蒸溜

④ 蒸溜

発酵したもろみを蒸溜器で加熱し、立ちのぼる蒸気を冷やして液体にします。

⑤ 貯蔵と瓶詰め

⑤ 貯蔵と瓶詰め

タンクやかめで寝かせ、味をなじませてから、水で度数を調えて瓶に詰めます。

Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū

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05

麹のちがい:白・黒・黄

同じ原料でも、麹で味の方向が変わります。

白麹

黒麹から生まれた麹で、やわらかく、すっきり飲みやすい傾向があります。現在、多くの焼酎に使われています。

黒麹

力強く、コクのある味わいに向かう傾向があります。泡盛にも使われます。

黄麹

日本酒と同じ系統の麹で、フルーティーで華やかな香りに向かう傾向があります。

Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū

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06

常圧蒸溜と減圧蒸溜

蒸溜のしかたも、味を決める大切な要素です。

常圧蒸溜

常圧蒸溜

ふつうの気圧で蒸溜します。原料の香りや味が濃く出て、コクのある仕上がりになりやすい方法です。

減圧蒸溜

減圧蒸溜

ポンプで蒸溜器内の圧力を下げると、もろみの沸点が下がり、常圧より低い温度で蒸溜できます。軽やかですっきりした味わいになります。

Sources : Japan Sake and Shochu Makers Association · La fabrication · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū

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07

産地と代表的な個性

原料が育つ土地と、焼酎の個性は結びついています。

鹿児島:芋焼酎

さつまいもの産地で、芋焼酎の中心地。「薩摩」は地理的表示(GI)に指定されています。

熊本・人吉球磨:米焼酎

米焼酎で知られ、「球磨」もGIに指定されています。

大分:麦焼酎

麦焼酎の産地として知られます。

長崎・壱岐:麦と米麹

麦に米麹を合わせる伝統があり、「壱岐」もGIです。

宮崎:芋・そば

芋焼酎のほか、そば焼酎でも知られます。

奄美:黒糖焼酎

黒糖と米麹でつくる黒糖焼酎は、奄美群島で造られる焼酎です。

Sources : Agence nationale des impôts (NTA) · ABC du shōchū · Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū

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08

飲み方ガイド

同じ焼酎でも、割り方で印象が変わります。

お湯割り

先にお湯(または水)を入れ、あとから焼酎を注ぐのが基本です。焼酎6:お湯4(ロクヨン)が定番とされます。香りが開き、芋焼酎に特に人気です。

水割り・ロック

水割りは食事に合わせやすく、ロックは氷が溶けながら味が変わっていきます。

ソーダ割り

軽くさわやかで、はじめての人にも飲みやすい割り方です。レモンなどを添えても。

前割り

飲む前に焼酎と水をあらかじめ混ぜて寝かせておく方法です。口当たりがやわらかくなります。

黒じょか

鹿児島の伝統的な土瓶です。割った焼酎を入れて温め、じっくり楽しみます。

Sources : Préfecture de Kagoshima · Brochure sur le shōchū

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09

泡盛:沖縄の蒸溜酒

焼酎の仲間ですが、原料も麹もはっきり違います。

泡盛とは

沖縄で造られる蒸溜酒で、タイ米(長粒種)と黒麹を使い、一度だけ仕込み、単式蒸留するのが特徴です。一般の焼酎は一次・二次の二段階で仕込むことが多い点が異なります。

古酒(クース)

3年以上貯蔵した泡盛を古酒と呼びます。時間とともに、まろやかさと甘い香りが増すとされます。表示の基準(すべてが3年以上のものか、ブレンドか)は商品ごとに確認してください。

Sources : Gouvernement du Japon (Highlighting Japan) · Awamori, mars 2025

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10

ラベルの読み方

まず、原料と度数、蒸溜のしかたを見ます。

芋・米麹・25度・720 mLを読み解く

芋・米麹・25度・720 mLを読み解く

図は架空の商品例です。表の「芋」はさつまいもが主原料という意味。裏に「さつまいも・米麹」とあれば、芋に米で育てた麹を合わせた仕込みです。「25度」はアルコール分25%、「720 mL」は瓶の内容量。常圧・減圧の記載がない場合、度数や原料だけでは蒸溜時の圧力はわかりません。

見る順番

①原材料(芋・麦・米・黒糖・麹の種類)②アルコール分(20〜25度の製品が多い)③単式蒸留か連続式か ④常圧か減圧か。この4つで、おおよその味の方向がつかめます。

フランスで探すとき

日本食材店や専門の酒屋で扱われることがあります。品ぞろえや価格は店で違うので、在庫は店に確認してください。

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用語集

焼酎 / shōchū
穀類・芋・黒糖などを発酵させ、蒸溜した日本の蒸溜酒。
本格焼酎 / honkaku
単式蒸留で、指定の原料と麹を使い、水以外を加えない焼酎。
甲類 / kō-rui
連続式蒸留で造る、36度未満の焼酎。
乙類 / otsu-rui
単式蒸留で造る、45度以下の焼酎。
麹 / kōji
でんぷんを糖に変える酵素をつくるカビ。
もろみ / moromi
発酵中の、どろっとした液体。
常圧蒸溜 / atmospheric
通常の気圧での蒸溜。コクが出やすい。
減圧蒸溜 / vacuum
気圧を下げた蒸溜。軽やかな味に。
お湯割り / oyuwari
焼酎をお湯で割る飲み方。
前割り / maewari
飲む前に水で割って寝かせる方法。
泡盛 / awamori
沖縄の蒸溜酒。タイ米と黒麹を使う。
古酒 / kusu
3年以上貯蔵した泡盛。

よくある質問

焼酎と日本酒、どちらが強いお酒?

一般に焼酎のほうがアルコール分が高めです。日本酒は醸造酒、焼酎は蒸溜酒で、造り方が違います。ただし、飲み方で薄めれば強さは調整できます。

焼酎の原料は何ですか?

米、麦、芋、黒糖、そばなど、さまざまです。本格焼酎では、指定された原料と麹を使い、水以外を加えません。

泡盛は焼酎と同じですか?

近い仲間ですが、泡盛は沖縄で、タイ米と黒麹を使い、一段階で仕込む点が違います。

はじめてなら、どれがおすすめ?

ソーダ割りか水割りで、軽めの麦焼酎や米焼酎から試すと入りやすいです。芋焼酎は、お湯割りで香りを楽しんでみてください。

熟成させるものですか?

多くはタンクなどで寝かせるだけで、樽熟成が前提のウイスキーとは違います。古酒(泡盛)や長期貯蔵の焼酎のように、時間をかけるものもあります。